日本ヘンデル協会について 〜 About HIJ


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日本ヘンデル協会について
沿革と概要
主な活動
入会のご案内
会長・講師の紹介

「日本ヘンデル協会」について 〜 About HIJ

 ヘンデルの音楽を愛する研究者・演奏家・愛好家の集まりが「 日本ヘンデル協会The Handel Institute Japan(HIJ)」です。ヘンデルと、その周辺の作曲家および作品を研究し、その成果を紹介・発表する研究・演奏団体です。
 ヘンデルは、バッハやドメニコ・スカルラッティと同じ1685年に生まれ、テレマンやヴィヴァルディらとも同世代で、盛期バロックを代表する作曲家でした。彼はドイツに生まれ、イタリアで修業し、イギリスに帰化したインターナショナルな音楽家で、オペラやオラトリオなどの声楽曲に生涯をかけた劇場人でありましたが、現在ではむしろ「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」等の器楽曲のほうがよく知られているようです。また、バッハと同じく鍵盤楽器の名手で、彼のオルガン・コンチェルトのほとんどは、オラトリオの演奏会を盛り上げるために幕間に自作自演したものです。

 しかしまだまだ日本では、それらの作品が演奏される機会も、演奏スタイルの紹介も十分であるとはいえません。「日本ヘンデル協会」の目標は、ヘンデル研究者、演奏家、愛好家が集い、幅広い活動を通じてヘンデルの世界を掘り下げ、それをいっそう広めることにあります。

運営委員(2011年度)

会長: 金澤 正剛(音楽学・音楽史) 
伊藤 明子  (チェンバロ・ピアノ) 三ヶ尻 正 (オラトリオ研究・言語指導)
諏訪 羚子 (音楽学) 柳本 洋子 (音楽学)
原 雅巳  (声楽・ジェスチャー・演出) [アイウエオ順]

運営委員のプロフィールはこちら
[会員向け]運営委員会のページはこちら

●「日本ヘンデル協会」では随時会員を募集しています。
このページの末尾をご覧ください。⇒くわしくはこちら

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沿革と概要 〜 History and Outline

 「日本ヘンデル協会」は1998年7月に設立されました。日本のヘンデル研究の草分けでもあり、音楽之友社刊のヘンデル評伝著者としても有名な渡部惠一郎氏(故人)の呼びかけで、国内のヘンデル研究者、演奏家、愛好家が集まりました。創立者は2001年12月に亡くなりましたが、その後も「日本ヘンデル協会」は発展を続け現在に至っています。2012年度より会長が藤江効子(名誉会長に就任)から金澤正剛に交代しました。
設立:1998年7月
会長:金澤 正剛 国際基督教大学名誉教授 音楽学・音楽史
会員数:約90名(2012年5月現在)

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主な活動 〜 Activities
 「日本ヘンデル協会」では研究と演奏の二つの分野で活動しています。

ヘンデルの作品、当時の演奏・舞台様式、歴史・社会など多方面からのアプローチによって、主としてヘンデルの劇場性に迫り、その成果を演奏に生かすという意欲的な活動を展開しています。

1)研究活動
●バロック時代の劇音楽研究

 ヘンデル時代のオペラ、オラトリオの舞台、演奏形態は古典派、ロマン派のそれとは大きく違っていたことがわかってきました。 聴衆の階層、楽しみ方、劇場をとり巻く社会・経済もバロック期にはバロック期の状況がありました。「日本ヘンデル協会」ではこうした実情を多様な角度から見直し、かつ実際の演奏に反映しようと取り組んでいます。
 なかでもオペラ・セリアの慣習、舞台上での歌手の所作である「ジェスチャー」に関心を寄せ、さまざまな文献資料の研究を基に、その実践的訓練を恒常的に行っています。世界のヘンデル研究機関、演奏団体の中でも、この「ジェスチャー」研究は日本ヘンデル協会の特徴ある分野です。フランスやイギリスの演劇の伝統をも踏まえて、当時の舞台のあり方を探り、その意義を問い直しています。
  劇場・舞台についても日本ヘンデル協会の大きなテーマになりつつあります。劇場や舞台がどのように誕生したか、その歴史、舞台の構造と使われ方、照明や書割り・背景といった装置のあり方、聴衆の社会的階層、劇場・観劇の機能(社交・政治・芸術等)など、さまざまな分野へ関心が広まっています。

●研究会・実践訓練など
 ・会長によるヘンデルに関するレクチャー
 ・会員による研究発表会、演奏発表会、レクチャー・コンサート
 ・ジェスチャー研究会  講師:原 雅巳(詳細はこちら
 ・国内外の演奏会・CD情報の提供、レコード・コンサート
 ・その他 バロック・ダンス、歌唱におけるディクション、外部から講師を招いての講演など多彩な活動を随時展開しています。これまでに故 渡部惠一郎、現会長 藤江効子その他、多数の新進研究者が質の高い研究を発表してきました。
 これまでの研究会記録はこちら

2)演奏活動
●「日本ヘンデル協会コンサート・シリーズ」としてヘンデルの作品を演奏し高い評価を得ています。
 これまでの演奏記録はこちら
 [最近の主要な主催公演]
 2002/4 オペラ「リナルド」全曲舞台上演(日本初演)
 2003/10 オペラ「セルセ」 抜粋上演
 2004/4  オラトリオ「復活」 全曲(日本初演)
 2004/10 オペラ「アグリッピーナ」抜粋上演
 2005/10 オペラ「アグリッピーナ」全曲舞台上演
 このほか会員(演奏家)の研鑽の成果を発表する演奏会「アルカディア・ヘンデリアーナ」や、研究者の講演と生演奏をまじえたレクチャー・コンサートなども開いています。

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入会のご案内 〜 Join us!
 あなたも「日本ヘンデル協会」でヘンデルの世界を広げてみませんか。

「日本ヘンデル協会」では研究者、演奏家、愛好家がともにレクチャー、研究会、講習会、研究発表などを通じてヘンデルの音楽を勉強・研究したり楽しんだりしています。ヘンデルに関心のある方、どなたでもご入会をお待ちします。
●会員の種類と年会費
 ・正 会 員   8,000円
 ・学生会員  5,000円
 ・賛助会員 20,000円

●会員になると
 ・コンサート、研究会、講習会などのスケジュールや情報を月一回程度お知らせします。
 ・「ジェスチャー」研究会での実践を経て、協会主催の演奏会に出演することが可能です。
 ・研究会、発表会などは無料です(外部参加者は有料)
 ・協会主催の演奏会は割引の特典があります。
 ・ヘンデルの音楽を愛する研究者(関連分野を含めて)・演奏家・愛好家と幅広い交流ができます。
 ・会員の活動(演奏会、研究発表、著書出版など)で、協会の主旨に沿うものは会報、メールなどを通じて広報・宣伝することができます。

●入会手続き
 (1) メールまたは郵送にて以下の事項を記入して事務局へお申込みください。
   (郵送の場合はこちらの入会申込書をご利用ください。)

  ・氏名(ふりがな): ____ ____ (ふりがな)
  ・住 所: 〒___-____ (都道府県からお願いします)
  ・TEL:  ___-___-_____ (自宅・勤務先)
  ・携帯: ___-___-_____
  ・FAX:  ___-___-_____
  ・E-mail: _________@_______
  ・会員の種類:_____(正会員・学生会員・賛助会員・・・該当するものをご記入ください。)
  ・勤務先・所属先・在学校:______
  ・専攻など:関係するものをお選びください。
      声楽(声種:__)、器楽(楽器:__)、
      音楽学(分野:__)、他分野研究者(分野:__)、
      愛好家(関心分野:____)
  ・紹介者・きっかけ:_______(紹介者のお名前、ウェブ、協会公演などご記入ください)
 
   
 (2) 会費の納付
    ゆうちょ銀行の振り替え(郵便振替 日本ヘンデル協会 00290-9-44573)
    または、協会の研究会等行事で直接の納付も可能です。

 (3) 会費納入の確認後、入会手続き完了の連絡を致します。

●お問い合わせ jimukyoku@handel-institute-japan.org

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 会長 金澤正剛、講師 原雅已ほかの紹介

● 金澤 正剛(会長) 音楽学・音楽史
 1934年 東京生まれ
 1966年 ハーヴァード大学博士課程修了。
 同大学イタリア・ルネサンス研究所研究員、アンティオーク大学およびアールハム大学客員教授などを経た後、
 1982年、国際基督教大学教授に就任。同大学宗教音楽センター所長も兼ね、
 2004年より同大学名誉教授。
 日本音楽学会会長など要職を歴任。
 2012年 日本ヘンデル協会会長就任。

 著書『古楽のすすめ』(音楽之友社)で1998年度ミュージック・ペンクラブ大賞を受賞。
 他に『キリスト教と音楽』(音楽之友社)、『中世音楽の精神史』(講談社選書メチエ)など著書多数。
 日本音楽学会会長も務め、音楽のみならず歴史、宗教、芸術全般、文学にも造詣が深い。

● 原 雅已 声楽(ソプラノ)・バロックジェスチャー
 
 東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院独唱科修了。
 1993年渡仏、オルレアン・コンセルヴァトワール(フランス)声楽家課程を一等賞で修了。ジュネーヴ・コンセルヴァトワール(古楽センター)を最優秀(審査員一致)で修了。

 声楽を嶺貞子、佐竹由美、ジャクリーヌ・ボナルドーの各氏に、バロック歌唱法、およびバロック・ジェスチャーをベアトリス・クラモア、 解釈をイヴォン・ルペランの各氏に師事。

 1994年バークレイ(USA)古楽音楽祭に招聘され演奏。第33回ブリュージュ(ベルギー)国際古楽コンクール入選。
 フランス、スイスにて活動後97年帰国。以後、フランス・ルネッサンス、バロック音楽を中心に演奏活動。カンプラ、モンテクレール、クレランボー、ラモーなどのカンタータ演奏多数。
 ソロアルバム「ふらんすの恋歌」(2005)、ラ・フェート・ギャラントと「パリの悦楽」(2006)をリリース。

 故渡部惠一郎氏のもと、バロックジェスチャーの研究を本格的に行う。
2001年には第69回日本音楽学会・東洋音楽学会の合同例会にてパネリストを務める。
2005年放送大学の「西洋音楽の諸問題」に客員講師として出演。

 1998年に創立された日本ヘンデル協会では、バロックジェスチャーの講師を務め、協会主催の公演に出演する傍ら、演出および演技・歌唱指導を行う。

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● 藤江効子(名誉会長) 音楽学・音楽史
 1956年 東京藝術大学音楽学部楽理科卒業
 1957年 同専攻科修了、
 1957年から 桐朋学園大学講師、助教授を経て
 1974年 同大学教授
 2002年 同大学退職、日本ヘンデル協会会長就任
 2006年 桐朋学園大学名誉教授
 2012年 日本ヘンデル協会名誉会長就任

 その間、東京藝術大学講師、日本女子大学講師等も歴任。
 「日本ヘンデル協会」創設者 渡部惠一郎とのヘンデルに関する共同研究や、「シャイベの<批評的音楽家>」1963、「アダム・スミスの芸術論」1976、「アダム・スミスとヘンデル」1985 などの論文を多数執筆。
 訳書に「アダム・スミス哲学論文集」(名古屋大学出版会、1993-99)、東海大学出版会からC.V.パリスカ著「バロックの音楽」(村井範子氏と共訳、1975・99)ほか音楽史シリーズ(新版は1994-99)、「クレメンティ―生涯と音楽 ―」(音楽之友社、1993)、その他多数を出版。

 1999年10月より朝日カルチャーにてオペラをテーマとした講座を現在も続行中。
 2002年10月日本ヘンデル協会会長就任。
 2005年9月 ウィントン・ディーン著「ヘンデル - オペラ・セリアの世界」邦訳(小林裕子氏と共訳)を春秋社から出版。
2009年7月 ドナルド・バロウズ編「ヘンデル 創造のダイナミズム」邦訳(小林裕子氏、三ヶ尻正氏と共訳)を春秋社から出版、日本ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞。
2012年4月より日本ヘンデル協会 名誉会長。

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